全国的に産科医不足が問題となっていますが、ここ徳島県でも妊娠22週~出生後7日未満の周産期における、周産期医療体制の確保に力を注いでいます。
安心して出産できる徳島に…周産期医療体制の確立へ
周産期医療の現状をリサーチしてみると、まずこの20年の日本を見ると全体の出生数が横ばい、もしくは減少ととれるのに対し、低出生体重児の割合が増加していました。
増加傾向にある低出生体重児の出産数に伴って、全国の総合周産期母子医療センターの約8割では新生児特定集中治療管理室(NICU)の病床利用率が9割を超過。
母体や新生児の搬入受け入れが困難になるという事態が数多く発生しています。
徳島の周産期医療への取り組み
このような現状に対し、徳島県でも徳島市民病院に平成20年からNICU(新生児集中治療室)を増床。
県内で生まれた低出生体重児の分娩と新生児医療に対応できるように改善策を講じ、徳島県内での分娩数が約1割を占めたことから平成23年からは「地域周産期母子医療センター」に認定されました。
その他、徳島大学病院「周産期母子医療センター」には助産システムがあり、妊婦は妊娠20週まで医師と助産師が共同で診察を行い、妊娠20週からは自然な経過であれば助産外来で出産や親になることへの準備を進めることができます。万が一、母子ともに正常な状態から脱してしまった場合には、周産期母子医療センターでの適切な管理の元、出産を迎えることとなります。
また、NICUだけでなく、緊急性から回復した新生児のケアのためにCGU(継続保育室)も充実。
必要であれば臨床心理士とMSW(医療社会福祉士)が母親のメンタルや生活の相談に応じ、安心して退院できるような体制が整えられているほか、各地域の保健師とも連携を行うなど手厚いサポートをしてくれます。
NICUとGCUでは32週以降の新生児にカンガルーマザーケアが実施され、出産のための両親学級が行われるなど親と新生児を結ぶ絆を強める手助けする環境が整えられているのも特徴です。